筋トレをする前に筋肉を知りましょう

効率の良い筋トレをしてきれいな筋肉を獲得するには、人間の体にどのような筋肉があるか前もって知っておく必要があります。強化したい筋肉の働きや構造を知って部位に応じたトレーニングを行ってください。
三角筋
三角筋(さんかくきん)は上肢の筋肉です。三角筋の肩甲棘部は肩甲棘から、肩峰部は肩峰から、鎖骨部は鎖骨の外側部の1/3からそれぞれ起始し肩関節を覆う様に外下方へと走り上腕骨三角筋粗面に停止します。運動は肩関節を支点にして肩甲棘部が上腕を伸展・内転・外旋させ、肩峰部が上腕を外転させ、鎖骨部が上腕を屈曲・内転・内旋させます。
「投げる」ことに関係の深い筋肉であり、投擲系のスポーツでは特に重要視されます。ボディビルなどでもこの筋肉の発達が不十分だと肩幅が狭くなり、頭が相対的に大きくなって格好悪くなるのでトレーニングを必要とします。腕立て伏せやベンチプレスなどを行なうことでも充分に鍛えられる筋肉ですが、専門的な筋力トレーニングを必要とするのであればフロント・レイズ、サイド・レイズなどのレイズ系の種目、もしくはショルダー・プレスなどが有効とされます。
上腕二頭筋
上腕二頭筋は上肢の筋肉です。腕を曲げた時によく浮き出る筋肉で通称力こぶと呼ばれています。しばしば上腕二頭筋を見せることは力強い男性のイメージを作り出し、アメリカンコミックのポパイやボディビルのポーズなどに良く見られています。二頭の名の通り起始部が長頭と短頭に分かれていて長頭は肩甲骨関節上結節から起こり、上腕二頭筋長頭腱として関節包内・上腕骨結節間溝を通り、大部分は橈骨粗面に停止します。一部は尺骨の前腕筋膜に停止します。短頭は肩甲骨烏口突起から起こり、停止部は長頭と同様です。支配神経は腕神経叢の外側神経束の枝である筋皮神経です。
上腕二頭筋全体を効率よく鍛える種目はダンベルカールやバーベルカール、短頭を鍛えるにはコンセントレーションカールやプリーチャーベンチカール、長頭ならインクラインカールやインクラインハンマーカールなどが効果的です。他にも、ナローチンニング(懸垂)なども効果的です。
上腕三頭筋
上腕三頭筋上肢の筋肉です。腕を伸ばした時によく浮き出る筋肉で、三頭の名の通り起始部が長頭と内側頭、外側頭に別れています。長頭は肩甲骨関節下結節から起こり、大円筋と小円筋の間を下行します。内側頭は腕骨の橈骨神経溝の下外側方から起こり、外側頭は上腕骨の橈骨神経溝の上外側方に接して線状に起こります。この3頭が合して、尺骨肘頭に停止します。支配神経は腕神経叢の後神経束の枝である橈骨神経です。
ボディビルなどで、上腕部のトレーニングを行う際には、つい上腕二頭筋(いわゆる力こぶ)ばかりに集中しやすいですが、筋肉全体の太さだけで言えば上腕三頭筋の方が太いため、こちらを鍛える方が、より太い腕にする近道であるとも言えます。
腹直筋
腹直筋は、腹部の筋肉のうち前腹壁の中を走る前腹筋の一つで、一般的に腹筋(ふっきん)として知られています。恥骨の恥骨結合部、および恥骨結節上縁を起始とし上方に向かい第5~第7肋軟骨と剣状突起に付着していて、途中で3~4個の腱画により分画されています。体幹部の屈曲や回旋、側屈に関与し、呼吸にも寄与しています。また、腹圧を加える作用があり、それによって排便や分娩、咳などにも寄与しています。
僧帽筋
僧帽筋背中の一番表層にある筋肉です。英名は「台形」を意味する語に由来し、首、左右の肩、第十二胸椎がつくる四角形から命名されたものですが、和名はカトリック教会の一派であるカプチン会修道士のフードに見立てたことによります。僧帽筋の起始は外後頭隆起から正中を下に下りるように、項靱帯、上項線、第七~第十二胸椎まで続き、停止は鎖骨の外側1/3、肩峰、肩甲骨の肩甲棘です。筋線維は首からの物は下に走り、その後腕の方に向かって横に走っています。背中からの物は逆に上に走り同じように腕の方に向かいます。筋繊維が異なった方向に走行しているので、多くの動作が可能になっているのです。支配神経は副神経であり、知覚は頸神経第三枝、第四枝が司ります。スポーツ選手のドーピング問題に関して、アナボリックステロイドの影響が大きく表れる箇所として僧帽筋が挙げられるので、僧帽筋が異常に発達している選手には、ステロイド使用の可能性が考えられます。
大臀筋
大臀筋は腸骨の筋肉で股関節の伸展(特に屈曲位から)、外旋を行います。起始は浅部と深部に分けられ、浅部は腸骨稜、上後腸骨棘、仙骨および尾骨から起こり、深部は後臀筋線の後ろの腸骨翼、仙結節靭帯および中臀筋の筋膜から起始し、上部は腸脛靭帯で終わりますが、下部は臀筋粗面で終わります。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、下肢の筋肉のうち、大腿骨に繋がる筋肉である大腿筋のうち、大腿骨を挟み四方に存在する筋肉の総称です。全身の筋肉の中で、最も強くて大きい筋肉で、作用は下腿の伸展です。大腿四頭筋には大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋が含まれます。
あらゆるスポーツ、特に跳躍系の種目では最重要視される筋肉の一つで、鍛えるのが比較的容易な部類の筋肉でもあり、あらゆる種類のスクワット、レッグエクステンション、レッグプレスマシンを使ったレッグプレスなどで効果的な鍛錬が可能です。
大腿二頭筋
大腿二頭筋は下肢の筋肉です。二頭の名の通り起始部が長頭と短頭に分かれていて、長頭は坐骨結節で半腱様筋と総頭をつくってから起こり、短頭は粗線の外側唇の中1/3と外側筋間中隔から起こります。両頭は合して二頭筋となって、腓骨頭に停止します。支配神経は長頭は脛骨神経(L5~S2)、短頭は総腓骨神経(S1とS2)です。作用としては股関節においては大腿の伸展を行い、膝関節では大腿二頭筋は屈曲するように働き、屈曲した状態では下腿を外旋します。
大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋の3つの下腿後面にある筋(この他に大内転筋を含むこともある)を合わせてハムストリングと称し、大腿二頭筋は外側ハムストリングと呼ばれることがあります。
走る競技にとっては最重要筋肉といえる大腿二頭筋ですが、その重要性に反して有効なトレーニングの難しい筋肉でもあります。一般的にアンクルウエイトやレッグカールマシンを使用してのレッグ・カールが有効ですが、意識的なトレーニングをしなければ効果は期待出来ません。
下腿三頭筋
下腿三頭筋は下腿の筋肉の総称で、主に足首を屈曲・伸展させる動作をつかさどります。その中でも大きな筋肉として、腓腹筋とヒラメ筋とがあります。腓腹筋は下肢の筋肉で足関節の底屈、膝関節の屈曲を行い、該当部位をふくらはぎと言います。腓腹筋は両足それぞれが左右2つの筋肉で構成されており、内側(股関節側)の筋肉を内側腓腹筋といい、外側の筋肉を外側腓腹筋と言います。大腿骨の内側顆の上方で内側頭をつくり、また外側顆の上方では外側頭をつくって起こり、一部の線維は関節包から起始し、下行し、膝窩を下方で境し、ヒラメ筋の腱と合流して、ともに踵骨隆起で停止します。
ヒラメ筋は下肢の筋肉のひとつで、遅筋線維が著しく優位な抗重力筋のひとつとして、足関節の底屈を行います。腓骨頭と腓骨の後面上部1/3、脛骨のヒラメ筋線および腓骨頭と脛骨の間に張るヒラメ筋腱弓から起こり、強大な停止腱は腓腹筋の停止腱と結合してアキレス腱(踵骨腱)として踵骨隆起で停止します。
下腿三頭筋は足首の動きをつかさどるため、スポーツ競技者にとって最重要な筋肉の一つです。また、特に大きな筋肉ではありませんが、ボディビルダーなどにとっても充分に発達していなければ足全体のバランスが悪くなるので重要な筋肉であるといえます。有効な筋力トレーニング法としてはカーフ・レイズやシングル・レッグ・ホッピングなどがあげられます。